高分子材料は多岐の分野にわたり、利用されています。この材料はその組成と構造および組織形態により、物性は大きく異なり、この材料の分析は非常に重要になります。
高分子材料の組成分析と構造解析
高分子材料の開発には、ポリマー(高分子)と添加剤の組成・構造解析およびポリマーの分子特性評価が必要です。
種々の前処理とクロマトグラフィーを駆使して成分を分離し、多様な分析法によって組成を同定する一方、平均分子量、分子量分布、立体規則性、末端基、結合様式などの分子特性を明らかにします。
ポリマーの分子特性評価
分析項目 | 使用機器・手法 | 分析事例 |
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分子量 | GPC、溶液粘度、静的光散乱 | ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC) |
光散乱検出器による絶対分子量及び分子サイズの算出 | ||
光散乱検出器(LS)による絶対分子量分布の測定原理 | ||
GPC-LALLSによる分子量分布測定 | ||
GPCによる絶対分子量測定(粘度法) | ||
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)における相対分子量と絶対分子量(粘度法)の比較 | ||
高温ゲル浸透クロマトグラフ | ||
GPCにおける濃度依存性 | ||
GPCによる相対分子量分布測定と絶対分子量分布測定の比較 | ||
MALDI-MSによる合成高分子の分析 | ||
立体規則性、結合様式 | NMR(1H、13C) | NMRによるポリオレフィンの一次構造解析 |
ミクロ構造 | NMR(1H、13C)、FT-IR | ゴム系ポリマーのミクロ構造、立体規則性解析 |
末端基定量 | 滴定、1H-NMR | NMRによるナイロンの末端カルボキシル基、末端アミノ基の定量 |
ポリアミド樹脂の末端基定量 | ||
溶液粘度測定 | ポリアミドの粘度数 | |
極限粘度 | ||
劣化評価 | DSC、GPC | 高分子材料の劣化評価 |
組成分析と構造解析
高分子材料の形態観察と物性評価
高分子材料の内部や表面の微細構造、結晶構造・非晶構造の観察、および成形品断面の樹脂流れの観察による成形加工性評価と、規格に基づく機械的特性、電気的特性、耐環境特性、成形性などの試験をおこないます。
組織、結晶、高次構造、混合状態の解析には、電子顕微鏡、核磁気共鳴装置、X線回折装置などを、また、構造と力学的特性の関係には動的粘弾性装置を用いるなど多彩な機器を用います。