HOME > 分析対象 > 材料 > 高分子材料
P319

CFRPの固体動的粘弾性測定

高分子複合材料の物性を把握する上で重要な測定方法の1つとして動的粘弾性測定があります。原理は、試料に周期的な変形(ひずみ)を与え、それによって生じる応力と位相差を検出することで貯蔵弾性率(弾性項)と損失弾性率(粘性項)を求めます。
金属並みに硬い炭素繊維強化プラスチックス(CFRP)は、固体粘弾性測定装置(RSA-G2)を用い、3点曲げモードで測定を行う事ができます。CFRPの3点曲げモードで温度依存性測定を行った結果を次図に示します。(写真:試料セット)
弾性率の変化から含浸した樹脂のガラス転移温度(Tg)の情報が得られます。
一般的にTgの値は、tanδのピークトップ温度を目安にします。
下図のTgの結果は、tanδのピークトップ温度から133℃となります。
その他の金属並みに硬い成型体の測定も応用可能です。

図:CFRPの弾性率とtanδの温度依存性

図:CFRPの弾性率とtanδの温度依存性

測定条件
装置 固体粘弾性アナライザー RSA-G2(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製)
測定モード 3点曲げ(動的測定)
昇温速度 3℃/min
周波数 1Hz
ひずみ 0.05%設定
温度範囲 室温〜170℃
雰囲気 窒素気流中
前のページに戻るこのページのトップへ