S461
断面TEMによる研磨面の評価
研磨を行ったSi単結晶表面を含む断面をTEM観察し、結晶欠陥などのダメージ層を評価しました。Si表面の研磨条件は、
- ダイヤモンドスラリーによる荒研磨
- 荒研磨後にダイヤモンドシートによる鏡面研磨
- 荒研磨、鏡面研磨後にArイオンによるイオン研磨
にて行い、Arミリング法で断面TEM試料を作製しました。
図1:断面TEM写真(1.荒研磨) | 図2:断面TEM写真(2.鏡面研磨) |
荒研磨面の断面TEM写真を図1に示します。表面から1,000nm程度の範囲で結晶欠陥が観察され、研磨によるダメージ層と考えられます。次に、これを鏡面研磨した断面TEM写真を図2に示します。ダメージ層が大幅に低減されていることが分かります。
図3:断面TEM写真(2.鏡面研磨) | 図4:断面TEM写真(3.イオン研磨) |
しかし、鏡面研磨の表面付近を拡大した図3では、まだ結晶欠陥や非晶質化した部分など、機械的ダメージが残っていることが分かります。これをイオン研磨した後のSi表面では機械的ダメージは認められず、わずかにイオンダメージによる非晶質化層が残るのみとなりました。