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ナフィオンの小角X線散乱測定

ナフィオンは、固体高分子形燃料電池用に用いられる高分子膜で、湿潤状態では親水性基がクラスターを形成し、プロトンの伝導性が向上すると考えられています。

市販のナフィオン115を室温にて乾燥状態、及び湿潤状態で小角X線散乱測定を行った結果を図に示します。乾燥状態では非常にブロードなピークを持つ弱い散乱となっていますが、湿潤状態では強い強度のピークを持った散乱になっています。これは、ナフィオンが水を取り込むことによりクラスター構造を形成し、周期構造が明確になったことを示唆しています。

2θ=2.0°前後のピークが親水性ドメインのクラスター構造のものとされており、湿潤状態になるとクラスターサイズが大きくなっています。2θ=0.5°前後のピークは疎水性ドメインの周期性を示していると考えられます。

図:ナフィオン115の小角X線散乱データ

図:ナフィオン115の小角X線散乱データ

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