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走査型プローブ顕微鏡(SPM)による樹脂試料の機械特性測定
従来の走査型プローブ顕微鏡(SPM)では、試料の機械特性の情報は、位相像としてしか得られませんでした。しかし、「ブルカー・エイエックスエス社製MultiMode8型走査型プローブ顕微鏡」では、試料の機械特性を、弾性率および吸着力として個別にイメージングすることが可能です。
MultiMode8による機械特性測定では、ピークフォースタッピングという機能を用います(図1)。図2に示すようなピークフォースカーブを各点において測定し、弾性率および吸着力を算出します。このようにして形状像・弾性率像・吸着力像を得ることができます。
図3に、ポリスチレン/ポリエチレン複合材料の表面形状像・弾性率像・吸着力像の測定結果を示します。従来は、弾性率像と吸着力像のそれぞれの情報を得ることはできませんでした。しかし、本測定により、弾性率の低い箇所と吸着力が高い箇所が一致していることが分かりました。さらに、表面形状像と比べて、弾性率像と吸着力像の方が、海島構造の界面がより鮮明に検出できています。
以上のように、従来は位相像としてしか得られなかった機械特性を、MultiMode8を用いた測定により、弾性率と吸着力として個別に算出することが可能になりました。
図1:ピークフォースタッピングにおけるプローブの動き | 図2:ピークフォースカーブ |
表面形状像 | 弾性率像 | 吸着力像 |
図3:ポリスチレン/ポリエチレン複合材料試料の表面形状像、弾性率像、吸着像