HOME > 分析対象 > 材料 > 高分子材料
P243

ゴム中のフィラーの3D-TEM観察と元素マッピング

黒ゴムシート中に含まれる複数成分の無機フィラーの分布を調べるためには、STEM(Scanning Transmission Electron Microscope)による明視野や暗視野像で観察する方法が非常に有効です。STEM像を三次元化する場合、Bragg散乱の情報を抑えた高角度で広く散乱した電子による暗視野像(HAADF像)の取得により立体的に可視できます。ゴム中のフィラー成分元素の分散状態と成分のマッピングを行った分析事例を紹介します。

黒ゴムシート(主成分:SBR)材料を樹脂による包埋、ウルトラミクロトームでの面出し、金属酸化物による蒸気染色を施し、電子顕微鏡用切片とした。傾斜角度範囲は±65°(角度は1°ステップ)で連続傾斜像を用いて三次元データを再構成し、各成分元素のマッピング像を写真1〜3に示します。

(上)写真1:明視野・暗視野STEM像写真 (下)写真2:EDSスペクトルと三次元再構成像

(上)写真1:明視野・暗視野STEM像写真 (下)写真2:EDSスペクトルと三次元再構成像

写真3:フィラー成分のマッピング像

写真3:フィラー成分のマッピング像

前のページに戻るこのページのトップへ