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高分子表面の分子鎖配向性評価(1)
高分子表面は、接着、濡れ、吸着などの機能特性と密接に関連し、極めて重要であることはよく知られています。特に結晶性高分子の場合には、表面からナノメータオーダ層における結晶構造や結晶化度、分子鎖の配向性や周期性の乱れ等が機能発現において重要な役割を果たしているものと考えられます。
ここでは、斜入射X線回折法によりポリプロピレン(PP)フィルム表面の分子鎖の配向性について紹介します。
試料 | ポリプロピレン(PP)フィルム |
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装置 | 理学電機製 ATX-G型 表面構造評価用 多機能X線回折装置 |
下図にPPフィルムのMD方向とTD方向へ、それぞれ入射X線を一致させて測定した(110)In-plane回折プロファイルを示します。TD方向はMD方向と比べて半価幅が狭く高角度側へシフトしていることから、MD方向よりも分子鎖間の距離は短く揃っており結晶性は高いものと考えられます。逆にMD方向では半価幅が広く低角度側へシフトしていることから、分子鎖間の距離は長く乱れており結晶性は低いものと推察されます。
図:PPフィルムの(110)In-plane 回折プロファイル