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S502

顕微ラマン分光分析によるタンパクとナイロンの識別

タンパクとナイロンは、ともにアミド結合を有するポリマーである。
赤外分光分析(IR)により、ゼイン(タンパクの一種)とナイロン6を測定した結果を、図1に示す。ピーク位置や半値幅が異なるものの、両者のスペクトルに明瞭な差は無い。

そこで、ラマン分光分析によりゼインとナイロン6を測定した。その結果を図2に示す。スペクトル拡大図(右図)から、ゼインとナイロン6で異なる位置にピークが検出され、IRよりも明瞭な差が検出されていることが分かる。

以上のように、ラマン分光分析によって、タンパクとナイロンを識別することができる。ラマン分光分析は、異物分析などの際、その異物がタンパクかどうか、つまり、ヒト由来かどうかを知る有力な手段になり得る。

図1:タンパクとナイロンのIRスペクトル(左図:全体、右図:1,800〜800cm-1拡大)

図1:タンパクとナイロンのIRスペクトル(左図:全体、右図:1,800〜800cm-1拡大)

図2:タンパクとナイロンのラマンスペクトル(左図:全体、右図:1,800〜800cm-1拡大)

図2:タンパクとナイロンのラマンスペクトル(左図:全体、右図:1,800〜800cm-1拡大)

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