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P276

ポリプロピレンコンパウンドの分析

ポリプロピレン(PP)コンパウンドは自動車、家電製品、雑貨などの工業分野で、汎用エンジニアリングプラスチックとして幅広く使われています。
PPコンパウンドは主成分であるPPに、必要とする諸特性を満足するため他ポリマーや添加剤、補強剤などをブレンドした組成物です。

表1:PPコンパウンドの主な組成物
PP 主成分
他ポリマー ゴムエラストマー
添加剤 酸化防止剤、耐熱・耐候安定剤、滑剤、核剤、金属不活性剤
補強剤 タルク、カーボンブラック、ガラス繊維、炭酸カルシウム、マイカ

これら組成物は、PPコンパウンドの生産性、高次構造および物性を左右する重要な因子です。したがって、これら組成物を分析することは、研究開発、製造・品質管理を行う上で非常に重要なことです。

以下に示す方法でPPコンパウンドの総合分析が可能です。

  1. PPコンパウンドからPP、ゴムエラストマー成分を分離し、13C-NMRなどを用いポリマー成分の構造解析や組成割合を求めます。
  2. 通常の添加剤成分については、PPコンパウンドから溶媒抽出しGC/MS、LC/MS、FD-MSなどで定性し、GC、HPLCで定量分析します。
    溶媒抽出しにくい添加剤(滑剤などの高級脂肪酸の金属塩、金属不活性剤CDA-1、CDA-6など)については、PPコンパウンドの状態で加水分解しGC/MS分析を行います。
  3. 補強剤の無機成分については、XRF、XRD分析で定性分析し、化学分解−ICP測定で定量分析します。
  4. カーボンブラック成分については、TGA測定によって定量分析します。
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