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PPの溶融粘弾性測定(周波数依存性測定)
高分子材料の流動特性を把握する上で重要な測定方法の一つとして溶融粘弾性測定があります。原理は、試料に周期的な変形(ひずみ)を与え、それによって生じる応力と位相差を検出することで貯蔵弾性率G’(弾性項)と損失弾性率G”(粘性項)及び複素粘性率η*(粘度項)を求めることができます。これらの結果は、ポリマーの材料設計(成形・加工性)に役立つ情報となります。
以下に溶融粘弾性測定装置(ARES-G2)を用い、PP(ポリプロピレン)をせん断モードで周波数依存性測定を行った結果を図に示します。周波数に対する弾性率及びη*の変化が確認できます。G’とG”は高周波数側から低周波数側にかけて左下がりに低下しています。また、η*は高周波数側では低く、低周波数側では高い結果となっています。低周波数側でη*の値が一定になる所をゼロせん断粘度と言います。流動性の低い試料は、ゼロせん断粘度を確認できない場合もあります。これらの結果は、成形温度やせん断速度の設定等に役立ちます。
図:PPの弾性率と複素粘性率の周波数依存性
装置 | 溶融粘弾性測定装置 ARES-G2(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製) |
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ジオメトリー | コーン&プレート 25mmφ(コーンアングル:0.1rad.=5.7°) |
動的測定、周波数範囲 | 400〜0.01rad/sec |
ひずみ | 10%設定 |
測定間隔 | 5points / decade |
測定温度 | 230℃ |
雰囲気 | 窒素気流中 |