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P280

デジタルマイクロスコープVHX-1000の微分干渉像

対象物の全体像から拡大像観察をする際、適切な照明を選ばなければなりません。対象物の表面状態や形状、また、観察目的によっては少しの工夫でさらにきれいな画像を観察することができます。通常の明視野に加えて微分干渉像を紹介します。

1.概要

微分干渉はズレた光を作ります。照明から出た光は偏光板に通り、特殊なDICプリズムで互いに垂直な2つの偏光に分かれます。この2つの偏光は進行方向も少しズレるため、2方向に分かれて進みます。この2つの光をコンデンサーレンズで集め、少しズレた光として試料に照射します。試料を通過した光は対物レンズで集められ、その先に取り付けたもう一つのDICプリズムで再び合わされ、偏光板を通し干渉できるように振動方向を揃え接眼レンズに入れます。

図1:微分干渉の概略図

図1:微分干渉の概略図

2.事例:金属打痕

図2:金属打痕

図2:金属打痕

写真に示す通り、明視野では観察できませんが、微分干渉で観察することにより、斜めになった部分や段差の部分、或いは性質が変化する境界の部分で強調され、まるで縁取りしたかのように大きく浮き上がっているかのように観察できます。また、金属やガラスのキズ、フィルムのうねりやムラなども鮮明に観察できます。

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