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ARXPSによるナノスケール深さ方向分析
角度分解X線光電子分光法(Angle Resolved X-ray Photoelectron Spectroscopy, 以下ARXPS)とは、X線によって発生する光電子非弾性平均自由行程が数nm以下であることを利用し、図1のイメージ図に示すように、試料と分光器の角度を変え複数回測定することで、表面近傍(およそ5nm以内)の元素組成と化学結合状態の深さ方向での分布を推定する非破壊検査手法です。
図2にプラズマ処理したポリイミド表面の角度分解スペクトルを示します。低角度(30°)での測定結果より、表面近傍では官能基成分の割合が高いことが分かります。この様に、ARXPSは試料表面1Å〜1nmの領域における結合状態が評価できるユニークな手法です。
図1:ARXPS測定のイメージ図
図2:プラズマ処理したポリイミド表面の角度分解スペクトル