S474
ピークフォースタッピングモードによる表面形状測定
走査型プローブ顕微鏡(SPM)の測定モードを、図1に示す。(a)コンタクトモードは、探針を試料表面に接触させ、カンチレバーの反りたわみを検出する手法である。(b)タッピングモードは、加振した探針を周期的に試料表面に接触させ、カンチレバーの振幅の変化量を検出する手法である。
「試料にかかる力を直接的に制御する」コンタクトモードの利点と、「水平方向の試料ダメージを軽減できる」タッピングモードの利点を組み合わせた手法が、(c)ピークフォースタッピングモードである。ピークフォースタッピングモードでは、カンチレバーのz位置がsin波を描くよう制御する。試料に接触した際の力(ピークフォース)を極力小さくなるよう制御することによって、軟らかい試料においても高分解能の像を得ることができる。
図2に(a)タッピングモードと(b)ピークフォースタッピングモードの測定例を示す。(a)タッピングモードではスキャン方向(横方向)にスジ状のノイズが検出されてしまっているのに対し、(b)ピークフォースタッピングでは高分解能の像を得ることができた。
図1:SPMの測定モード |
図2:測定例:薬包紙の表面形状像の比較 | ||||
測定条件(共通):Scan Size 5μm×5μm・Scan Rate 0.5Hz・Data Point 512pt×512pt |