AN1316
熱分解ガスクロマトグラフ / 質量分析計
1. 装置
装置の外観
1. 熱分解炉
メーカー |
フロンティア・ラボ |
型式 |
EGA/PY-3030D型 |
2. GC/MS
メーカー |
島津製作所 |
型式 |
QP-2010 Ultra型 |
2. 特徴
所定の温度に加熱された電気炉の中へ試料を落下させ、試料を熱分解します。その際に発生するガスを質量分析計で測定することにより、試料の定性分析を行います。本分析にて以下の分析が可能です。
- 通常のGC/MSでは測定できない、ポリマーや異物の分析ができます。
- FT-IRでは判定できない、モノマーレベルの定性分析ができます。
3. 仕様及び性能
1. 熱分解炉
温度範囲 |
40℃〜1,000℃ |
雰囲気 |
He、疑似空気(He/O2 = 80/20) |
2. GC/MS
質量範囲 |
m/z 2〜1,090 |
分解能 |
R≧2M(FWHM) |
感度 |
S/N≧500(OFN 1pg、m/z 272) |
イオン化 |
EI |
4. 測定試料
5. 留意点
化合物の同定 |
熱分解物のパターンによっては、同定が難しい場合があります。 |
ポリフェニレンスルファイドの定性分析
標準ポリマーのクロマトグラム・検出化合物を不明ポリマーの測定結果と比較することで、ポリマー種の判別が可能です。下記スペクトルより、ポリフェニレンスルファイド(1)と推定されました。
(1)
7. 応用分野及び適用例
応用分野 |
適用例 |
ポリマーの分析 |
ポリマーの同定、モノマーの同定 |
異物の分析 |
製品中の微小異物の同定 |