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デジタルマイクロスコープVHX-1000の偏光照明像
対象物の全体像から拡大像観察をする際、適切な照明を選ばなければなりません。対象物の内部情報として、樹脂の流れの方向やスキン層の厚みおよび残留歪みを観察することができます。通常の明視野に加えて偏光照明像を紹介します。
1.概要
偏光照明では試料の下側(照明のところ)と対物レンズの上側に偏光板があります。2枚の偏光板の方向を直角にした場合、そのままでは真っ暗で何も見えません。ここで、方向によって光に対する性質が違う試料があった場合、光に対する性質が方向によって異なることは、特定の方向に振動する光、つまり偏光をよく通す、と言うことに繋がります。これは偏光板と同じはたらきをします。その結果、偏光板を3枚重ねにした時と同様に、試料がある部分だけ光が通り、明暗のコントラストが得られます。
図1:偏光照明の概略図
2.事例:PC樹脂シート
溶融する樹脂が金型を流動する場合、その流れの方向や、加わった圧力で内部に歪みが残っているのが通常で、これも方向による性質の違いをもたらします。さらに、元々は歪みがなくても、力を加え歪ませることで方向による違いが出る場合もあります。
図2:偏光照明像