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水中におけるPETフィルムの動的粘弾性測定
高分子材料の機械的特性の測定として、動的粘弾性測定(DMA)があります。DMAは、主に窒素、または空気雰囲気下で測定しますが、高分子材料を使用する環境は必ずしもそうとは限りません。
写真のように、浸漬試験用のアタッチメントを用いることにより、溶剤に浸漬した状態で粘弾性測定が可能になります。
通常測定
浸漬試験
以下にPETフィルムの引張モードの試験例を挙げます。PET樹脂は、飲料容器のペットボトルとして使用されるプラスチックです。下図に窒素雰囲気下と水に浸漬した条件での貯蔵弾性率(E')、損失弾性率(E")、損失正接(tanδ)の温度依存性の測定結果を示します。実線が窒素雰囲気下、点線が水中のデータです。窒素雰囲気下に比べ、水中では弾性率のプロファイルが低温側にシフトしており、tanδのピークトップ(ガラス転移温度:Tg)が10℃程低くなっています。