HOME > 分析対象
P311

ナノインデンテーション試験による微小領域の機械特性評価

図1:一般的な荷重変位曲線

図1:一般的な荷重変位曲線

材料の弾性率や硬さなどの機械特性は、材料の特性に影響する重要なパラメーターであり、新規材料の開発、材料の性能や信頼性の指標として広く利用されている。特に近年では、材料の微小化、薄膜化に伴い、マイクロメーターあるいはナノメータースケールの材料評価が求められている。

ナノインデンテーション試験では、圧子(バーコビッチなど)を試料に押込み、試料に印加する荷重と圧子の変位から図1に示す荷重変位曲線が得られる。得られた荷重変位曲線を解析することにより、表1に示す各種機械特性を評価する。

本試験の特徴は、マイクロニュートンという微小荷重とナノメーターという微小変位を検出することにより、マイクロメーター以下の微小領域の機械特性を評価することである。各種試験方法は個別の資料に示した。

ナノインデンテーション試験は国際規格(ISO14577-1)として発行されている。ISOでは、測定レンジをナノレンジ(変位0.2μm以下)、ミクロレンジ(変位0.2μm超、荷重2N未満)、マクロレンジ(荷重2N以上、30kN以下)の3つに分類される。本試験は主にナノレンジに対応している。

表1:荷重変位曲線より得られる基本的な機械特性
機械特性 技術資料
複合弾性率、硬さ P312 : 微小領域の複合弾性率および硬さ評価(ナノインデンテーション)
弾性変形仕事率 P313 : 微小領域の弾性変形仕事率評価(ナノインデンテーション)
クリープ、応力緩和 P314 : 微小領域のクリープおよび応力緩和評価(ナノインデンテーション)
貯蔵弾性率、損失弾性率 P315 : 微小領域の動的粘弾性評価(ナノインデンテーション)
ISO14577-1準拠試験 低荷重モード(最大荷重10mN対応可)
ISO14577-1以外試験 低荷重モード(最大荷重10mN、最大変位5μm対応可)
高荷重モード(最大荷重1,000mN、最大変位80μm対応可)
圧子 バーコビッチ
前のページに戻るこのページのトップへ