HOME > 分析対象 > 材料 > 高分子材料
P208

GPCによる相対分子量分布測定と絶対分子量分布測定の比較

ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)では、示差屈折計(RI)による基準物質換算の相対分子量分布測定が一般的ですが、粘度計(Visco)や光散乱検出器(LS)を併用することで絶対分子量分布測定が可能になります。各測定法の違いの1つに、適用する検量線の種類が挙げられます。各測定法の特徴を以下にまとめます。

相対分子量分布測定
[基準物質換算の相対分子量を算出]

絶対分子量分布測定
[真の(絶対)分子量を算出]

図:各測定法に用いる検量線の比較

各測定方法でポリカーボネート樹脂を測定した結果を下表に示します。

相対分子量分布測定は基準物質換算の分子量が算出されるため、数値の取り扱いには注意が必要です。一方、絶対分子量分布測定では比較的カタログ値に近い値が得られました。特に、光散乱法のMwはカタログ値とほぼ同等の値が得られました。

表:各測定法におけるGPC測定結果
項目 カタログ値 相対分子量分布
(ポリスチレン換算)
絶対分子量分布
粘度法 光散乱法
Mw 32,200 51,700 29,500 32,100
Mn 9,600 15,300 8,200 12,500
Mw/Mn 3.4 3.4 3.6 2.6

前のページに戻るこのページのトップへ