M228
FIB-SEMによるセルロースナノファイバー(CNF)複合材料の3D解析
セルロースナノファイバー(CNF)を補強材として用いた軽量・高強度の複合材料へ応用が進んでいます。CNF/樹脂複合材料の機械的特性を理解するために重要であるCNF(スギノマシン製BiNFi-s WFo-10010)の三次元分布を、FIB-SEM法を用いて可視化し、数値化しました。なお、FIB-SEM法はFIB 加工と断面SEM 観察を繰り返し、得られた連続断面像から三次元構造を再構築する手法です。(技術資料「FIB-SEM法による樹脂中フィラーの三次元構造解析」参照)
三次元再構成した構造を図1に示します。図1中に観察されている全CNFの占める体積割合、長さ、幅、厚みを算出しました。次に、z方向の端面間を繋ぐCNFを細線化し、曲路率(技術資料「STEMトモグラフィによる多孔質アルミナの細孔解析(2)」参照)を求めました。最後に、図3のように全長が含まれるCNFについて、長さを算出しました。求めた数値データを表1に示します。
図1:三次元再構成像
X:23.8μm、Y:11.2μm、Z:21.4μm
図2:端面間のCNF細線化
図3:途切れていないCNF
表1:CNFの各種数値データ
サンプルご提供:静岡大学農学部ふじのくにCNF寄付講座 特任教授 青木先生