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ナイロン6シートの固体動的粘弾性測定
高分子材料の物性を把握する上で重要な測定方法の1つとして動的粘弾性測定があります。原理は、試料に周期的な変形(ひずみ)を与え、それによって生じる応力と位相差を検出することで貯蔵弾性率(弾性項)と損失弾性率(粘性項)を求めます。
フィルムやシートは、固体粘弾性測定装置(RSA-G2)を用い、引っ張りモードで測定を行う事ができます。ナイロン6シートの動的粘弾性測定を、引っ張りモードで温度依存性測定を行った結果を次図に示します。
測定結果からtanδの温度変化で3つの分散が観測されています。70℃付近のα分散はナイロン6の非晶部の比較的長い分子鎖の運動に起因し、ガラス転移温度(Tg)に相当します。−60℃付近のβ分散は、非晶領域のアミド基の運動によるもの、また、−130℃付近のγ分散は、比較的短いメチレン基鎖部分の局所的運動に相当します。
その他のナイロン系ポリマー(ナイロン6,6、12等)の測定も可能です。
図:ナイロン6シートの弾性率とtanδの温度依存性
装置 | 固体粘弾性アナライザー RSA-G2(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製) |
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測定モード | 引っ張り(動的測定) |
昇温ステップ | 2℃/step |
周波数 | 10Hz |
ひずみ | 0.2%設定 |
温度範囲 | -150℃〜測定可能まで |
雰囲気 | 窒素気流中 |