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FIB-SEM法による樹脂中フィラーの三次元構造解析
ミクロンオーダーの領域を三次元構造解析する手法としてFIB(Focused Ion Beam)-SEM(Scanning Electron Microscopy)法があります。FIB加工と断面SEM観察を繰り返し、得られた連続断面像から三次元構造を再構築する手法です。
一例として、エポキシ樹脂中に分散したNiO粒子の三次元構造を再構築しました。まず、50nm間隔でFIB加工とSEM観察を100回繰り返して連続断面像を測定します(図1)。明るく観察されている部分がNiO粒子に相当し、その形状が加工位置とともに変化する様子が分かります。次に、マックスネット社製Avizoを用いて、エポキシ樹脂とNiO粒子を区分し、一辺が5,000nmの立方体中におけるNiO粒子の分布を三次元再構築しました(図2)。再構築されたデータはソフトウェア上で自由に拡大、縮小、回転でき、任意位置の断面を表示すること(図3)もできます。また、表面積や体積の情報を得ることができ、この立方体におけるNiO粒子の体積割合は42%と求められました。
図1:連続断面SEM像(5,000nm角)SEM像中の数値は加工開始位置からの距離 | |
図2:三次元再構築データ | 図3:任意位置の断面像 |