論文発表
- Vacuum Volume 84, Issue 2, 18 September 2009, Pages 352-356 (2009年9月18日)
- Hydrogen distribution in titanium materials with low outgassing property (竹田 将利)
- 本論文は、低ガス放出特性を持つチタン材料の表面近傍の水素分布を調べ、チタン材料のガス放出機構について述べた。飛行時間型二次イオン質量分析(TOF-SIMS)の深さ方向分析により、チタン材料中の水素は表面の酸化膜-バルクチタンの界面近傍で極大分布を示すことが分かった。また、その排気時間依存測定から、表面酸化膜中の水素はバルクチタン中の水素と比較して急速に減少することが分った。以上の結果より、表面酸化膜-バルクチタンの界面が水素の拡散障壁の役割を果たすことが示唆された。これらの事実は、チタン材料の表面近傍の水素の低濃度化を与え、これがチタン材料の低ガス放出特性の起源の一つであると考えられた。
- 技術情報協会「カーボンナノチューブの精製・前処理と分散・可溶化技術」 Pages 396-402(2009年) (2009年4月30日)
- SEMによる高分子材料中のカーボンナノチューブ分散状態の評価 (川元 亨)
- カーボンナノチューブ(CNT)/樹脂複合材料は、CNTの有望な応用分野と考えられている。特に導電性フィラーとしてのCNTは、極めて少ない添加量で大きな導電効果が期待できるため、透明導電性樹脂などへの適用が期待されている。SEM観察は、樹脂中のCNT分散状況をmm〜nmオーダーの広いレンジで観察できる事実上唯一の手法であり、2005年のSEM観察例を契機として、これまでに樹脂中のCNT分散状態をSEM観察した例が多数報告されている。
本記事では、以下の項目に沿って、SEM観察画像の特性を説明した。
・導電性コーティングの影響
・低真空SEMによる観察
・画像信号/検出器の選択
・ステレオ観察と情報深さ - マテリアルライフ学会誌,Vol.21,No.2,pp.85-92 (2009年)
- 赤外放射率測定によるプラスチック・ゴムの劣化評価
(秋庭 芳一、君塚 雄太、門間 公俊、齊藤 啓治、陣田 一也) - プラスチック類の劣化状態の一般的な分析手法として、赤外分光分析、電子顕微鏡観察、組成分析などが挙げられる。しかし、これら分析の大部分は劣化度を定量的に表すことができない。そこで遠赤外線放射率に着目し、劣化度との関連性を検討した。暴露・劣化促進試験を実施したポリ塩化ビニル他について、FT-IRを用い赤外放射率測定を行った。その結果、劣化の進行とともに赤外放射率が低下する傾向を示した。赤外放射率はプラスチック類の劣化度を定量的に表す手段の一つとして有効であることが判明した。
学会発表
- 応用物理学会 2010年春季講演会 (2010年3月19日)
- ICP-MS法による高純度金属および高純度有機金属化合物中の多元素超微量分析 (小園 修治)
- 第57回 応用物理学関係連合講演会 (2010年3月18日)
- 水熱合成法により形成されたPbTiO3膜の構造に対する成膜温度の影響 (二井 裕之、中川 浜三、國重 敦弘、他)
- 物質構造解析研究会 第2回討論会 (2010年3月5日)
- ラマン分光法を用いた多層カーボンナノチューブの構造解析 (二井 裕之)
- 日本分析化学会 中国四国支部講演会 (2009年12月11日)
- 斜入射X線回折法によるポリマーフィルム表面の結晶性評価 (國重 敦弘)
- 日本環境変異原性学会 第38回大会 (2009年11月26日)
- 微量サンプルのための変異原性試験に有効なエンドポイントの研究 (武下 健次、高木 則和、野口 幸弘、田村 雅範)
- 第14回 高分子分析討論会 (2009年11月4、5日)
- ポリプロピレン材料中の結晶性および非晶性成分の分離精製法の検討 (丸 康充、栗原 裕太、宮内 康次)
- Air雰囲気下による市販プラスチックの熱抽出、熱分解挙動の測定 (国府田 浩之、岡澤 拓也、宮内 康次)
- 小角X線散乱によるナノ粒子の粒径分布解析 (中村 明)
- フッ素樹脂表面のSEM観察における導電性蒸着膜の特性評価 (堀口 高英)
- ポリオレフィン中のフェノール系酸化防止剤黄変物の分析法検討 (大田 陽介、石飛 渡、澤村 実香)
- GC-TOFMSによる高分子添加剤、難燃剤の構造解析 (原 智之、宮内 康次)
- 高分子材料の球晶構造観察の可視化技術 (門間 公俊)
- ポリアミドを含む多成分系材料のTEM観察 (浅沼 信二)
- 真空に関する連合講演会 (2009年11月4日)
- チタン材料に溶存した水素の放出機構 (竹田 将利(山口大学共同研究))
- 日本分析化学会 第58年会 (2009年9月24日)
- LC/EI-MS測定の検討 (清水 博 、則武 智哉、吉屋 晴夫)
- 第58回 高分子討論会 (2009年9月16日)
- 高分子フィルム表面の結晶構造とその異方性IV(ポスターセッション) (國重 敦弘 、川崎 勝、陣田 一也)
- 第70回 応用物理学会学術講演会(2009年秋季) (2009年9月11日)
- 水熱合成法により形成されたPbTiO3膜の構造評価 (二井 裕之、中川 浜三、國重 敦弘、他)
- 第37回 フラーレン・ナノチューブ総合シンポジウム (2009年9月3日)
- Evaluation of Multi-Walled Carbon Nanotubes by Ultraviolet Raman Spectroscopy (二井 裕之、本行 乾一、中川 浜三)
- Structure Analysis of Multi-Walled Carbon Nanotubes by TGA in the Reductive Atmosphere (本行 乾一)
- 第46回 化学関連支部合同九州大会 (2009年7月11日)
- 培養細胞を用いた化学物質の毒性検出法 (武下 健次、高木 則和、村田 浩一、岡田 明子、田村 雅範)
- Ames試験による抗変異原性物質の評価 (藤井 伸芳、山本 祥太 、橋本 淳一、野口 幸弘、田村 雅範)
- 第70回 分析化学討論会 (2009年5月17日)
- マイクロ固相抽出法による水中農薬化合物の分析 (則武 智哉、岩本 陽二、吉屋 晴夫)