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S473

EBSDによる線材破断部付近の調査

破断した線材をEBSD測定し、正常部との結晶方位の違いを評価しました。

破断付近の線材側面のSEM写真を図1(a)に、研磨により作製した破断部付近の断面SEM写真を図1(b)に示します。

SEM像(a)側面 SEM像(b)断面
図1:SEM像(a)側面、(b)断面

図1(b)中の白枠に対応する逆極点図方位マップを図2(a)に示します。線材の長手方向への結晶粒の向きをカラーキー(同図b)に示す方位と色で区別しています。リファレンスとして、正常部の逆極点図方位マップを図2(c)に示します。

(a)破断付近の逆極点図方位マップ (b)カラーキー (c)正常部の逆極点図方位マップ
図2:(a)破断付近の逆極点図方位マップ、(b)カラーキー、(c)正常部の逆極点図方位マップ

正常部では緑色の結晶粒が多いことから、Feの{101}が線材の長手方向に配向していると考えられるのに対して、破断付近ではその配向が大きく乱れています。これは同じ線材を曲げた場合(「EBSDによる線材曲げ部の評価」参照)に類似しており、塑性変形を伴う破断であったと推察されます。

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