S462
EBSDによる線材曲げ部の評価
折り曲げた線材の断面をEBSD測定し、部位による結晶方位の違いを評価しました。
曲げ部外側の結晶方位マップを図1(a)に示します。線材の長手方向への結晶粒の向きをカラーキー(同図(f))に示す方位と色で区別しています。図1(a)では緑色の結晶粒が多いことから、Feの{101}が線材の長手方向に配向していると考えられます。
(a) 外側 | (b) 中央 | (c) 内側 | ||
(d) 測定箇所概略図 | (e) 測定方位 | (f) カラーキー |
曲げ部中央の方位マッピング(同図(b))、曲げ部内側の方位マッピング(同図(c))の順に、長手方向に{101}配向の結晶粒は少なくなり、異なる方位の割合が増えています。
{101}極点図を図2に示します。結晶粒の{101}配向が強い部分が赤く、弱い部分が青く示されます。曲げ部外側(同図(a))では長手方向(A2)に{101}配向していることが分かります。曲げ部中央(同図(b))でも同様ですが、やや上下で非対称となっています。さらに、曲げ部内側(同図(c))では結晶の回転が生じていると推察されます。
(a) 外側 | (b) 中央 | (c) 内側 |