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O467

揮発(香気)成分のSPMEおよびMC濃縮による定性分析

液体や固体試料から発生する揮発性の有機成分(香気など)を定性分析するには、試料をサンプル瓶(1)に封入して室温ないし加温して保持した後、ヘッドスペースガスをシリンジ(2)で抜き取りガスクロマトグラフ/質量分析(GC/MS)分析などを行います。

しかしながら、成分が微量で検出できない場合は、濃縮などの手段が必要です。

そこで、簡便かつ高感度な濃縮手段である、SPME(3)(固相マイクロ抽出法:Solid Phase Micro Extraction)およびMC(4)(固相抽出素子:Magic Chemisorber)を紹介します。

図:分析方法:液体や固体試料から発生する揮発性の有機成分(香気など)を定性分析

SPMEは、ニードルをサンプル瓶に突き刺し、フューズドシリカロッドの表面に各種液相を化学結合ないしコーディングしたファイバー(図中青色部分)を露出し、揮発成分の吸着・抽出を行います。吸着・抽出後、GCのインサートにて熱脱着して定性分析を行います。検出したい化合物に合わせて、コーディング相を変えることができるメリットがあります。

MCは、不活性化処理をしたチタン管の外壁にポリジメチルシロキサン(PDMS)を化学結合させた素子で、サンプル瓶内に静置し、揮発成分の抽出を行います。ついで、フロンティアラボ製の加熱炉(パイロライザー)を用いて抽出成分を熱脱着して、GC/MS分析を行います。MCのコーディング相の種類はPDMSのみですが、膜厚が大きいため同じコーディング相であればSPMEより高感度です。

表1:ヘッドスペース(シリンジ)、SPMEおよびMCの特徴
手法 濃縮 特徴 技術資料
シリンジ ×  
SPME 多種のコーディング相 SPME法によるコーヒー香気成分の分析
MC コーディング相はPDMSのみ
相の体積が大きい
固相抽出-熱抽出GC/MSによる微量化合物の高感度分析
固相抽出-熱抽出GC/MSによるカレーパウダーの香気成分の高感度分析

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