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STEMトモグラフィによる多孔質アルミナの細孔解析(3)
技術資料「STEMトモグラフィによる多孔質アルミナの細孔解析(1)」にてSTEMトモグラフィによる多孔質アルミナの三次元細孔解析を行いました。今回は表面からの深さと空隙率、細孔径および細孔壁厚さの関係を調査しました。
多孔質アルミナのセグメンテーションデータ(アルミナ:橙色、細孔:水色)を図1に示します。次に、セグメンテーションデータを表面からの深さ毎に分割しました。色分けした多孔質アルミナの中心付近断面を図2に示します。分割したそれぞれの深さにおける空隙率を図3に、平均細孔径および細孔壁厚さの分布を図4に示します。表面から40nmくらいまでは空隙率はほぼ一定ですが、それより内部で小さくなることが分かります。図4より、上述のような内部では細孔径が小さく、逆にアルミナの細孔壁厚さは厚くなっているためと考えられます。
以上のように、三次元での細孔解析を行うことで、内部細孔のキャラクタリゼーションも可能になります。