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M218

SEM-EBSDによる結晶粒内の残留ひずみ推定

SEM-EBSDを用いてスケール(炭酸カルシウム)の結晶方位解析したデータ(技術資料:SEM-EBSDによる炭酸カルシウムの結晶方位解析 参照)について、残留ひずみに関連すると推定される分布を解析しました。

炭酸カルシウムの逆極点図方位マップを図1に示します。紙面垂直方向に対する結晶方位をカラーキーの色で示しています。

次に、一つの結晶粒内における各結晶粒の平均方位を基準として、結晶粒内の他のピクセルがどれだけの方位差になっているかを示すGrain Reference Orientation Deviationマップを図2に示します。0〜2.5°の範囲をカラースケールの色で表示しています。ピクセル間の微妙な方位変化があれば、結晶はその部分で変形を受けていることになり、これが残留ひずみに関連するという仮定に基づいたマップです。図2より、結晶粒の中央付近は方位差が小さい青色であるのに対し、粒界付近においては比較的方位差が大きい緑色の箇所が多いことが分かります。さらに方位変化が大きい結晶粒も認められます。これより、各結晶粒の粒界付近において、残留ひずみが大きい可能性があります。

図1:炭酸カルシウムの表面SEM像

図1:(a) 平面逆極点方位マップ、(b) カラーキー

     図1:炭酸カルシウムの表面SEM像

図2:(a)Grain Reference Orientation
Deviation マップ、(b)カラースケール

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