I334
硝酸カリウムの純度分析
試料の組成分析や微量元素分析に用いられるICP-AESやICP-MSは、高感度・高精度分析が可能ですが、検量線を用いて定量分析を行うため、分析値の有効数字は2桁で、分析目的によっては、十分なデータが得られない場合があります。
一方、重量法や滴定法などの化学分析は、直接、重量や容量を測定し、試料中の元素・イオンの濃度を算出するため、高精確に定量分析(有効数字は3桁)が可能ですが、分析工程が非常に複雑なため熟練した技術が必要となります。
当社は、重量法や滴定法を用いた分析法の技術・ノウハウを蓄積しており、高精確に主成分分析を行うことが可能です。ここでは、その分析事例として「硝酸カリウムの純度分析」について紹介します。
1.分析結果
繰り返し | KNO3 |
---|---|
1回目 | 100.4 |
2回目 | 100.1 |
平均値 | 100.3 |
KNO3の純度(試薬) | 99.995 |
2.まとめ
本法は、イオン交換法によりKを除去後、中和滴定法により、KNO3濃度を算出します。そのため、ICP-AESなどの機器分析(有効数字2桁)と比較して、非常に高精確 (有効数字3桁)です。繰り返し分析のバラツキは非常に小さく、試薬の純度表示とよく一致した分析値を得ることができました(表)。
当社では、各種試料中の元素・イオンの高精確分析が可能です。対応可能な分析メニューについては、技術資料「滴定法・重量分析法による高精確分析」をご覧ください。