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I330

凝集・重量法によるホウケイ酸ガラス中の高精確Si分析

各種材料の組成分析や微量元素分析に用いられるICP-AESやICP-MSは、高感度・高精度分析が可能ですが、数%程度のバラツキがあるため、分析値の有効数字は2桁で、分析目的によっては、十分なデータが得られない場合があります。

一方、重量法や滴定法などの化学分析は、直接、重量や容量を測定することにより、材料中の元素濃度を算出するため、検量線法を用いた機器分析と比較して、高精確に定量分析(有効数字は3桁)が可能ですが、分析工程が非常に複雑なため熟練した技術が必要となります。

当社は、重量法や滴定法を用いた分析法の開発を行っており、高精確に主成分分析を行うことが可能です。ここでは、その分析事例として「凝縮・重量法によるホウケイ酸ガラス中のSi分析」について紹介します。

1. 認証標準物質*1の詳細

提供元 (社)日本セラミックス協会
CRM No. JCRM R 102
物質名 ホウケイ酸ガラス

*1 認証標準物質(CRM)とは、計量学的に妥当な手順によって値づけされ、値とその不確かさ、計量学的トレーサビリティを記載した認証書が付属している標準物質のこと

2. ホウケイ酸ガラス中のSiの分析結果

(単位:質量%)
繰り返し SiO2*2
1回目 80.6
2回目 80.6
平均値 80.6
認証値*3 80.5

*2 Siの分析値をSiO2に換算した値

*3 JCRM R 102標準物質の認証値

3. まとめ

本法は、前処理によりホウケイ酸ガラス中のSiをSiO2として単離し、質量を測定して、濃度を算出します。そのため、ICP-AESなどの機器分析(有効数字2桁)と比較して、非常に高精確 (有効数字3桁)です。繰り返し分析のバラツキは非常に小さく、認証値とよく一致した分析値を得ることができました(表)。

当分析センターでは、各種材料中の元素の高精確分析が可能です。対応可能な分析メニューについては、技術資料「滴定法・重量分析法による高精確分析」をご覧ください。

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