X145
高温X線回折測定による熱膨張係数の決定
1. 概要
ZnO、ZnSe系II-IV族半導体試料は各種光学素子材料として注目され、基礎物性の評価・応用が進められています。その中で、例えば異種半導体間の接合:ヘテロ接合の場合、電気的特性の良好な接合、即ち結晶学的に欠陥のないヘテロ界面を売るためには、接合を形成する半導体間で格子定数差および熱膨張係数差の小さいことが重要と考えられています。
そこで、重要な物性定数である熱膨張係数を、粉末X線回折法により精密な格子定数の温度依存測定により導くことを試みました。
2. 実験
試料 | CdSe |
---|---|
装置 | リガク(株)製 RAD-RX型 X線回折装置 |
3. 結果
下記に精密格子定数の温度依存図を示します。この傾きより、CdSeの熱膨張係数は2×10-5(1/K)と見積もることが出来ました。
図1:精密格子定数の温度依存図
H.IWANAGA, A.KUNISHIGE and S.TAKEUCHI, J. Mat. Sci. 35(2000)2451-2454