HOME > 分析対象 > 材料 > 有機材料
SE103

カールフィッシャー水分測定(容量滴定法)
−強塩基性アミンの水分測定−

カールフィッシャー水分測定法には、KF試薬に含まれるよう素イオンを電気分解し、電気分解に要した電気量から水分量を求める電量滴定法と、KF試薬で滴定し滴定に要した滴定量から水分量を求める容量滴定法があります。一般的に、水分量の少ない(1%以下)試料には電量滴定法を、水分量の多い(1%以上)試料には容量滴定法を適用します。

ジアミン等の強塩基性アミンについては、よう素イオンの電気分解に影響を与える為、電量滴定法は適用出来ませんが、試料を酸で中和処理した後、容量滴定法より水分測定が可能になります。実施例として、ジアミンの水分測定について測定方法と測定結果を紹介します。

<実施例>

1.試料

(1) ノナンジアミン
(2) ノナンジアミン/ヘキサメチレンジアミン=1/9

2.測定方法

試料をイソプロパノールに溶解し、直接投入法により試料中の水分量を測定した。

3.装置

容量滴定式カールフィッシャー水分計(京都電子工業製 型式:MKA-610)

4.滴定用試薬

滴定液 コンポジット2 (SIGMA-ALDRICH製)
溶媒 メタノール (和光純薬工業製)
pH調製試薬 サリチル酸 (和光純薬工業製)

5.結果

試料 測定値(wt%) 平均値(wt%)
1回目 2回目
(1) 0.1138 0.1176 0.12
(2) 0.0593 0.0603 0.06

前のページに戻るこのページのトップへ