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S497

特性X線強度の加速電圧依存性

カーボンナノ材料や有機分子など電子線照射の影響を受けやすい材料を観察するための対策として、加速電圧の低電圧化が挙げられます。加速電圧を低くすることでノックオンによる試料損傷を低減できる他に、非弾性散乱断面積の増加に伴い特性X線強度の上昇が期待できます。

そこで、Pt/C触媒についてEDSマッピング分析を行い、試料より発生する特性X線強度の加速電圧依存性について調べました。加速電圧は120、60、30kVで、その他の測定条件は同一に揃えました。図にPt/CのEDSマッピング結果を示します。加速電圧が低下するにつれて、粒子領域から得られたPt-Mの強度が大きくなっています。各加速電圧で測定したマッピング結果より、粒子径がほぼ同じPt粒子の領域(矢印部)よりEDSスペクトルを抽出し、X線強度を比較しました。加速電圧が低いほど、得られるX線強度が増加することが分かります。

120kV
図:Pt/CのEDSマッピングおよびEDSスペクトル(120kV)
60kV
図:Pt/CのEDSマッピングおよびEDSスペクトル(60kV)
30kV
図:Pt/CのEDSマッピングおよびEDSスペクトル(30kV)

図:Pt/CのEDSマッピングおよびEDSスペクトル

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