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S424

ラマン分光法による溶液中のヨウ素の定量的評価

ラマン分光法は、物質の構造(分子構造や結晶構造等)に関する情報を得ることができるため、物質の同定や結晶性の評価などに用いられます。また、適切な方法を工夫すれば、スペクトル強度から定量的な評価を行なうことも可能です。

下記にアセトニトリル中のヨウ素を定量的に評価した事例を示します。図1に示したヨウ素濃度の異なるアセトニトリル溶液のラマンスペクトルより、アセトニトリルに由来するピークは、380cm-1、750cm-1および920cm-1付近に検出されていることが分かります。また、ヨウ素に関しては、200cm-1付近に検出されているピークより、溶液中でI2の状態で存在していると考えられます。さらに、図2に示すように、アセトニトリル中のヨウ素濃度とピーク面積比(ヨウ素/アセトニトリル)は、ヨウ素濃度が0.2〜4.0mg/mlの範囲では良好な直線関係にあることが分かります。これらの結果から、上記の濃度範囲でアセトニトリル中のヨウ素(I2)濃度を定量的に評価できることが分かります。

図1:ヨウ素のアセトニトリル溶液のラマンスペクトル 図1:ヨウ素のアセトニトリル溶液のラマンスペクトル
図2:ヨウ素濃度とピーク面積比の関係
図1:ヨウ素のアセトニトリル溶液のラマンスペクトル 図2:ヨウ素濃度とピーク面積比の関係

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