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S346

カーボンナノチューブ複合材料のTEM観察

カーボンナノチューブ(CNT)はそのユニークな特性から機能性フィラーとしても注目されており、樹脂の強化や導電性付与を施した複合材料として実用化されています。複合材料の特性評価のためには、樹脂中に分散したCNTの観察が必要と考えられます。

CNTにより表面導電性を付与した市販の透明樹脂板について解析を行いました。断面TEM写真(図1)より、表面近傍にCNTが観察されました。CNTは主に多層カーボンナノチューブ(図2a)や二層カーボンナノチューブ(図2b)と考えられます。次に、面内でのCNTの分布を確認するために、平面TEM観察を行いました(図3)。CNT凝集体の分布が観察され、さらに暗視野STEM写真(図4)では凝集体からネットワーク状に伸びる多数のCNTが明瞭に観察されています。このネットワークが導電性付与の役割を果たしていると考えられます。

図1:断面TEM写真 図2:拡大写真
図1:断面TEM写真 図2:拡大写真
図3:平面TEM写真 図4:平面暗視野STEM写真(図3と同一視野)
図3:平面TEM写真 図4:平面暗視野STEM写真(図3と同一視野)
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