S337
AFMを用いた単層カーボンナノチューブの長さ解析
CNI社製のHiPco法Purifiedグレードの単層カーボンナノチューブ(SWCNT)を分散剤を用いて水中に超音波分散し、その分散液をマイカ劈開面上に少量滴下して乾燥させ、その表面を原子間力顕微鏡(AFM)で測定した結果を図1(a)に示した。また、図1(a)中の破線で断面解析を行った結果を図1(b)に示した。測定に用いたSWCNTのカタログ値は、平均直径:0.8〜1.2nm、長さ:数百nm〜数μmである。図1の測定結果をカタログ値と比較すると、SWCNTは孤立分散できているものと考えられ、その周囲には分散剤が付着しているものと推察された。
図1のAFM像をもとに、各SWCNTの長さを測定し、長さ別の個数分布を求め、図2に示した。ただし、長さ100nm未満のものについてはSWCNTではない可能性があるため、個数分布からは除外した。図2のように、長さ1,000nmあたりに個数分布のピークが認められた。また、カタログ値より短いものも多く認められたが、これらの中には超音波分散時に切れたものが含まれているものと推察された。
図2:超音波分散した単層カーボンナノチューブの長さ別の個数分布