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S275

走査型プローブ顕微鏡 -電気力顕微鏡-

電気力顕微鏡(EFM)では、導電性プローブを用いて、ノンコンタクトモードで試料・プローブ間に働く電気力を検出することにより、試料の表面形状測定と同時に、表面電位の違いなどによる電気力の変化を高分解能でイメージングすることができます。測定試料としては、導電性、非導電性およびそれらの複合材料についての測定が可能ですが、電界勾配は、表面の凹凸形状の影響を強く受けるため、できる限りフラットな表面での測定が望まれます。それは、表面の鋭い突起に電荷が集中するためです。

EFMの測定方法を図1に示します。図1のように、1回目のスキャン(1往復)ではタッピングモードで表面形状を測定します。次に、2回目のスキャンでは表面形状の測定データに対して一定量プローブをリフトし、カンチレバーを自由振幅で加振します。プローブが局所的に電場が異なる部分を通過すると、試料・プローブ間に働く電気力に変化が生じ、カンチレバーの共振特性が変化します。このカンチレバー共振の位相または周波数の変化をEFM像としてイメージングすることができます。

図1:電気力顕微鏡(EFM)の測定方法

図1:電気力顕微鏡(EFM)の測定方法

測定例として、図2にカーボン粉末を分散したポリマー材料表面の表面形状イメージと電気力イメージの測定データを示します。表面形状イメージには現れていないカーボン微粒子の領域が電気力イメージで明瞭に観察されています。

図2:カーボン微粒子を分散したポリマー材料表面の表面形状および電気力イメージ

図2:カーボン微粒子を分散したポリマー材料表面の表面形状および電気力イメージ

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