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ミリングプロによるガラス中埋没物の同定

樹脂中の埋没異物のサンプリング方法はその大きさによって異なります。約20μm以上では顕微鏡観察下、手作業により行います。一方、約20μm未満ではマニピュレーターの特殊治具ミリングプロによって実施します。この方法では異物を直接サンプリングして測定することが可能です。またこの治具は、一般的にはサンプリング不能で顕微FT-IR測定が困難なガラスや金属中の埋没物にも適用できます。

以下にミリングプロによるガラス中埋没物の加工過程の概要を示します。

  1. 埋没物周辺のガラスをミリングプロによって削り取って、埋没物部位を可能な限り剥き出しの状態にします。
  2. さらに剥き出しになった部位の表面を削り取って、埋没物の表面出しを行います。埋没物が柔らかい物質の場合は面出し部から掻き取りサンプリングすることもできます。
  3. この面出し部を直接顕微ATR測定(掻き取った場合は顕微-透過法)し、EPMA測定を行います。
図1:ミリングプロによるガラス中埋没物の面出し過程の概要(断面)

図1:ミリングプロによるガラス中埋没物の面出し過程の概要(断面)

ガラス中の埋没金属片をミリングプロにより面出し、EPMA測定を行った例を示します。

図2:切削後表面のEPMAスペクトル

図2:切削後表面のEPMAスペクトル

写真1:未加工(表面) 写真2:切削後(表面)
写真1:未加工(表面) 写真2:切削後(表面)

この結果、ガラス中の埋没物は「SUS」と判明いたしました。

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