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P234

低真空SEMによる樹脂中のカーボンナノチューブの観察

カーボンナノチューブ(以下CNTと表記)はその特性から無機フィラーとして樹脂に導電性を付与した複合材料として実用化が進んでいます。この複合材料の特性はCNTの分散状態により大きく変化するため、樹脂中のCNTの分散状態観察が重要となります。

CNTの観察には解像度の高いFE-SEMを用いるのが一般的ですが、CNTのネットワーク状態により導電性が悪い試料ではチャージアップが起こり正しい形態観察が出来ません。低真空SEMは導電性の無い試料でも観察できるためCNTの分散状態を明確に形態観察が可能です。

以下にCNTの分散状態の違う試料を表面から低真空SEM観察した例を示します。

写真1-1:導電性の良い試料 写真2-1:導電性の悪い試料
写真1-1:導電性の良い試料 写真2-1:導電性の悪い試料
写真1-2:導電性の良い試料の拡大像 写真2-2:導電性の悪い試料の拡大像
写真1-2:導電性の良い試料の拡大像 写真2-2:導電性の悪い試料の拡大像

上記写真から導電性の良い試料は表面付近においてCNTが凝集しネットワークを形成しており、導電性の悪い試料はCNT間の距離が広くネットワークが弱いことが判ります。

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