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フィルムのFE分析
フィルム(例えば延伸フィルム:OPPフィルム等)には異物の混入などによりフィッシュアイ(FE)と呼ばれる異常部が発生することがあります。そのFEの組成を分析することで混入経路の特定や対策を行う情報となります。
以下に光学顕微鏡(OM)、顕微フーリエ変換型赤外分光分析装置(FT-IR)電子線プローブマイクロアナライザー(EPMA)で測定した事例を示します。
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写真:FEの形状(OM写真) | 図1:FE核のEPMAチャート |
![図2:FE核の顕微FT-IRチャート](images/img_p206_03.gif)
図2:FE核の顕微FT-IRチャート
上記の分析結果の場合、FEの核はSiO2系の物質であることが判ります。フィルム原料にはフィルム同士の密着を防ぐ為にシリカなどのアンチブロッキング剤が添加されており、その分散不良が考えられます。
その他FEの核を測定したFT-IRチャートを以下に示します。
![図3:セルロース](images/img_p206_04.gif)
図3:セルロース
![図4:炭酸カルシウム](images/img_p206_05.gif)
図4:炭酸カルシウム
![図5:アミド化合物(皮膚など)](images/img_p206_06.gif)
図5:アミド化合物(皮膚など)