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LC/MS多変量解析による製品特性の解析(3)
- リチウムイオン電池電解液の分析 -
多変量解析により、多成分を含む複数試料の一斉分析が可能です。以下にリチウムイオン電池電解液の分析事例を紹介します。LC/MS及び多変量解析を用いて、製品のグルーピングや差異解析を容易に行うことができました。
10種の電池のグルーピング
市販電池の電解液10種をn=4でLC/MS測定し、多変量解析を行いました。結果、スコアプロットにて10種の電池A〜Jが3つのグループに分類されました。更にローディングプロットにて、それぞれのグループに特徴的な成分を検出できました。多変量解析では、膨大な量のデータが下記のような二次元のマップにまとめられるため、試料の特徴を視覚的に分りやすく捉えることができます。また検出された特徴成分については、マススペクトルのフラグメントパターンや精密質量から構造解析をすることも可能です。
<スコアプロット> グルーピング 1つの点は1つの試料を示す。似た性質のものは近い位置にプロットされる。 |
<ローディングプロット> 特徴成分の探索 1つの点は1つのピーク(保持時間、質量数の情報を持つ)を示す。 |
新品と劣化品の差異解析
2試料間の違いを詳細に調べるには、Sプロットが有効です。電池Aの新品及び充放電を繰り返した劣化品について分析した結果、それぞれに特徴的な成分を検出できました。これらの特徴成分についてもマススペクトル等から構造解析を行うことが可能です。
以上のように、多変量解析は製品のグルーピングや差異解析を容易に行うことができます。本解析手法を用いて、競合製品の比較や製品トラブルの解明、劣化要因解析等を支援します。
<Sプロット> 2群間の比較 1つの点は1つのピーク(保持時間、質量数の情報を持つ)を示す。 |