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O501

MSEを用いたスルホン酸化合物の分析

LC/MS測定では一般的にESIやAPCIといったソフトなイオン化法が使用されるため、フラグメントイオンが生じにくく、得られる情報は分子量関連イオンの推定までに留まる。更に化合物情報を得るためには、分子量関連イオンを推定した後にMS/MS測定を行う必要がある。しかし、これには複数段階の測定が必要となるため操作が煩雑となる。簡便にMS/MSを行える手法として、Waters社製のMSEがある。MSEは、プレカーサーイオン(分子量関連イオン)を選択することなく、自動でMS/MSデータを取得できる(コリジョンエネルギーを加える)手法である。シンプルかつ網羅的方法論で複雑なサンプルの中から多くの情報を得ることが可能になる。

MSEを用いたスルホン酸化合物の分析事例を紹介する。スルホン酸化合物をMSEで測定すると、イオンが開裂しSO3であるm/z79.957が生じる。m/z79.957のマスクロマトグラムを調べることでスルホン酸化合物の特定が容易に行えるため、これにより混合物試料中のスルホン酸化合物を調査する際に有効となる。

下記に、10種のスルホン酸化合物を測定した結果を示す。いずれの化合物もコリジョンエネルギーを与えることでSO3であるm/z79.957のフラグメントイオンを生じることが確認された。

図1:スルホン酸化合物のTICクロマトグラム(上段) 及び m/z79.957のマスクロマトグラム(下段)

図1:スルホン酸化合物のTICクロマトグラム(上段) 及び m/z79.957のマスクロマトグラム(下段)

図2:p-トルエンスルホン酸のマススペクトル

図2:p-トルエンスルホン酸のマススペクトル

図3:カンファースルホン酸のマススペクトル

図3:カンファースルホン酸のマススペクトル

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