O498
13C-NMRスペクトル (1Hノンデカップル)
13C-NMRスペクトルにおける各シグナルの級数の判別は、DEPT法(O384)が広く用いられていますが、より明確で確実な別法として、1Hノンデカップル13C-NMRスペクトルによる判別法を紹介します。1Hノンデカップル13C-NMRスペクトルにおいては、各シグナルのカップリング(結合している水素+1本に分裂)にて判別を行います。一例として、図1にケイ皮酸 cis-3-ヘキセニルの13C-NMRスペクトル(1Hノンデカップル)及び13C-NMRスペクトル(通常)を示します。このようにシグナルの分裂が明確に現れるため、より確実に級数の判別を行うことができます。ただし、級数の低い(結合している水素が多い)ほど、シグナルが複数にカップリング(分裂)することとなるため、その場合、通常の13C-NMRスペクトルと比較して、感度は数分の1に低下します。
ケイ皮酸 cis-3-ヘキセニルの解析例を以下に示します。図1にケイ皮酸 cis-3-ヘキセニルHMBCスペクトルを示します。
図1:ケイ皮酸cis-3-ヘキセニルの13C-NMRスペクトル(1Hノンデカップリング)及び13C−NMRスペクトル(通常)