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NMRにおけるHMBCスペクトル
NMRは、有機化合物の構造解析に有効な分析法です。NMRにて構造解析を行うにあたっては、水素と炭素の位置関係を調べていくことにより、解析が行われることが一般的です。その手法のひとつに、HMBC(Heteronuclear Multiple Bond Coherence)と呼ばれる2次元NMR測定手法があります。このHMBCスペクトルにより、数結合離れている水素と炭素の位置関係を調べることができます。HMBCスペクトルにおいては、数結合離れている水素と炭素の交点にシグナルが検出されます。
一例として、ケイ皮酸 cis-3-ヘキセニルの解析例を以下に示します。図1にケイ皮酸 cis-3-ヘキセニルHMBCスペクトルを示します。
図1:ケイ皮酸 cis-3-ヘキセニルのHMBCスペクトル
その他の各種NMR測定から、以下の部分構造まで確認されているとします。HMBCスペクトルにより、これらの部分構造がどのようにつながっているかを調べることができます。
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部分構造Aと部分構造BのつながりシグナルAとシグナルB1、B2の間に、シグナルが検出されていることから、左記の構造(つながり)があることが推定されます。
- 部分構造Bと部分構造CのつながりシグナルB1、B2とシグナルCの間に、シグナルが検出されていることから、左記の構造(つながり)があることが推定されます。
- 部分構造Cと部分構造DのつながりシグナルCとシグナルDの間に、シグナルが検出されていることから、左記の構造(つながり)があることが推定されます。
以上の1.〜3.のように、各部分構造をつなげることにより、化合物の構造解析を行うことができます。