HOME > 分析対象 > 材料 > 有機材料
O477

MSとMS/MSの違いについて

液体クロマトグラフ(LC)などに接続する質量分析計として、MSおよびMS/MSなどがあります。これらの違いについて以下に説明します。

MS測定では質量分離部は1つであり、イオン化された成分がそのまま検出されます。ESIなどのソフトイオン化法では、主に分子量関連イオンが検出されます(マススペクトル)。

図1:MS測定

図1:MS測定

MS/MS測定では1つ目の質量分離部(MS1)で特定のイオンを選択し、続くコリジョンセルで不活性ガスと衝突させフラグメンテーションを起こします。そこで生じたフラグメントイオンを2つ目の質量分離部(MS2)で分離し検出します(プロダクトイオンスペクトル)。

図2:MS/MS測定

図2:MS/MS測定

次にMSおよびMS/MS測定したα-NPDのスペクトルを示します。MS測定では主に分子量関連イオンが、MS/MS測定では、プリカーサーイオンとプロダクトイオンが検出されています。

未知物質の構造推定を行う際には、高分解能MS測定にて分子式を推定して化合物検索を行い、さらにMS/MS測定を行うことで、化合物を絞ることが可能です。

図3:α-NPDのマススペクトルおよびプロダクトイオンスペクトル

図3:α-NPDのマススペクトルおよびプロダクトイオンスペクトル

前のページに戻るこのページのトップへ