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MSとMS/MSの違いについて
液体クロマトグラフ(LC)などに接続する質量分析計として、MSおよびMS/MSなどがあります。これらの違いについて以下に説明します。
MS測定では質量分離部は1つであり、イオン化された成分がそのまま検出されます。ESIなどのソフトイオン化法では、主に分子量関連イオンが検出されます(マススペクトル)。
図1:MS測定
MS/MS測定では1つ目の質量分離部(MS1)で特定のイオンを選択し、続くコリジョンセルで不活性ガスと衝突させフラグメンテーションを起こします。そこで生じたフラグメントイオンを2つ目の質量分離部(MS2)で分離し検出します(プロダクトイオンスペクトル)。
図2:MS/MS測定
次にMSおよびMS/MS測定したα-NPDのスペクトルを示します。MS測定では主に分子量関連イオンが、MS/MS測定では、プリカーサーイオンとプロダクトイオンが検出されています。
未知物質の構造推定を行う際には、高分解能MS測定にて分子式を推定して化合物検索を行い、さらにMS/MS測定を行うことで、化合物を絞ることが可能です。
図3:α-NPDのマススペクトルおよびプロダクトイオンスペクトル