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O472

NMRによるNiめっき液の分析

無電解めっきのNiめっき液はNi2+と還元剤(次亜燐酸)から成り、さらに機能性を高めるため、リンゴ酸等の有機酸類やアスパラギン酸等のアミノ酸類など、種々の添加剤が含まれています。

NMRにてめっき液の添加剤分析を行う場合、常磁性の元素であるNiによる妨害のためNMRスペクトルのシグナルがブロード化してしまう現象が起こり、解析が困難です。そこで、リンゴ酸を含むNi溶液を模擬液として、前処理により解析が可能なスペクトルが得られるか検討しました。

未処理の模擬液のNMRスペクトルはブロード(図1:下段)になりました。実際のめっき液ではさらに高濃度のNiが含まれるため、シグナルはよりブロードになり解析が不可能です。

次に、前処理にてNiの除去を行いました。その結果(図1:上段)、シャープなシグナルが得られ、模擬液に添加したリンゴ酸が明確に検出されました。

このように、常磁性物質を含む試料であっても適切な前処理を行うことで解析に十分なスペクトルを得ることができます。なお、陽イオンの添加剤成分は、本前処理での分析は困難です。

図1:模擬液の1H-NMRスペクトル

図1:模擬液の1H−NMRスペクトル

 

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