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O463

CryoProbeによるメントールのINADEQUATE測定

NMRによる有機化合物の構造解析は、COSY法やHMQC法など1H観測の二次元測定を駆使して行います。さらに、INADEQUATE(Incredible Natural Abundance Double QUAntum Transfer Experiment)法により炭素−炭素の結合を調べることで、構造解析にとても有益な情報を得ることができます。

しかしながら、INADEQUATE測定は13Cの天然存在比が1%で13C−13Cが並ぶ確率が非常に低く、13Cの感度も低いため、従来、数十%濃度の試料でも数週間程度の測定時間が必要となり、測定は現実的ではありませんでした。

そこで、高感度検出器CryoProbeにて、メントールのINADEQUATE測定を検討しました。図1にINADEQUATEスペクトルを示します。
24時間の測定で解析に十分なスペクトルが取得できました。

スペクトルより次の結合が読み取れます。例えば、10番は8番と9番に相関があり、両者は10番と隣り合わせの関係にあることが分かります(8-10-9と繋がりがある)。また、8番は6番と相関があり、9番は4番、5番と相関があります。このように炭素間の相関を繋げることで、容易に構造解析が可能となります。

図1:メントールのINADEQUATEスペクトル

図1:メントールのINADEQUATEスペクトル

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