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元素分析におけるNaの妨害
元素分析(CHN分析)では、試料を燃焼させた際に発生するガス(CO2、H2O、NO2)を検出し、試料中のC、H、Nの含有率(wt%)を算出します。ただし、金属元素が共存する場合には、定量値への影響、装置や充填剤の破損、劣化が起こることがあります。また、アルカリ金属、アルカリ土類金属は、燃焼の際に炭酸塩を生成し、Cの定量値に影響を及ぼすことが知られています。一例として、Naを含有する試料(EDTA;図1)についてCHN分析を行った場合、定量値にどのような影響が現れるか紹介します(表1)。
図1:試料のCHN及びNaの含有率
表1:CHN分析結果
試料 | C | H | N |
---|---|---|---|
EDTA | 41.11 (+0.01) |
5.53 (+0.01) |
9.65 (+0.06) |
EDTA-2Na | 31.07 (-1.20) |
4.85 (-0.02) |
7.50 (-0.03) |
EDTA-4Na | 24.58 (-1.98) |
4.45 (-0.01) |
6.15 (-0.04) |
( ):理論値からのずれ |
表1の結果から、Naが共存する場合には、Cの定量値が低下することが分かります。また、その低下量は、Na含量が多いほど大きいことが分かります。