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NMRによる光学活性化合物の識別
光学活性化合物の識別は古くから様々な手法にて行われており、NMR分析においてもキラルシフト試薬(Eu錯体、Pr錯体等)を用いた識別が行われてきました。しかし、それら錯体は常磁性を有するために、シグナルのブロードニング化がしばしば問題となっていました。近年、この問題を解消すべく、様々なキラルシフト試薬が報告されています。
今回、そのひとつである包接キラルシフト試薬(キラバイト-AR)を用いた識別を、メントールを例として紹介します。キラバイト-ARの添加により、メチル基のシグナルにて識別可能であることが分かります。
図1:メントールのNMRスペクトル(キラバイト-AR添加)
キラバイト-AR | L-メントール | D-メントール |