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CFH三重共鳴プローブを用いたフッ素系化合物の13C-NMR測定
構造中にフッ素を含有する化合物は、フッ素核の特性(F-Cの大きなカップリング)のため、一般的なNMR測定では詳細な構造解析が困難なものにする場合があります。この場合CFH三重共鳴プローブを用い19F核とのカップリングを打ち消すこと(デカップリング)により、単純なスペクトルが得られ構造解析が容易になります。
図1にフルオロエタノール(FCH2CH2OH)の13C-NMRスペクトルを示します。
上段は通常のプローブ(1Hデカップリング)を使用して測定したスペクトルで、19F核とのカップリングにより、シグナルが複雑に分裂しています。
一方下段はCFH三重共鳴プローブ(1H核と19F核の同時デカップリング)を使用して測定した場合で、シグナルが単純になっています。
両者を比較してCFH三重共鳴プローブを使用して測定したスペクトルの方が、構造解析が容易であることがわかります。
図:フルオロエタノールの13C-NMRスペクトル(上:通常、下:19Fデカップリング)