O301
熱分解GC/MSによる顔料の構造解析
顔料は自動車用塗膜等に幅広く用いられています。しかし、その構造解析は分子量が比較的大きく、溶媒に不溶なことから必ずしも容易ではありません。このような顔料は熱分解GC/MSの加熱炉で熱分解により部分構造へ分解し、その分解物をGC/MSにより分離・同定することにより、構造を決定することができます。
ここではジスアゾ系顔料(Pigment Yellow 17)の分析例を示します。熱分解GC/MSにおいて、CH3COCN、アニシジン、イソシアネート体、ウレア体、ジフェニル体等、元の顔料の構造を反映した化合物が見られ、構造解析に有用です。
図1:Pigment Yellow17の熱分解GC/MS TICクロマトグラム